2026/09/15 10:30

こんにちは。
愛媛県今治市、大島にある「海宿 千年松」です。

前回は、千年松がなぜ地元の魚を大切にしているのかについて書きました。

その中でも少し触れましたが、私たちが料理をするうえでもう一つ大切にしているものがあります。

それが、

「旬」

です。





旬のものを食べる

「旬のものを食べる。」

昔から当たり前のように言われてきたことです。

春には春のもの。

夏には夏のもの。

秋には秋のもの。

冬には冬のもの。

今は一年を通して、いろいろな食材が手に入ります。

欲しいものがあれば、季節を問わず買うことができる。

それはとても便利なことです。

でも、海のそばで暮らしていると、

「今、この時期だから食べられるもの」

の面白さを感じることがあります。


海は、毎日同じではありません

千年松の目の前には、来島海峡があります。

毎日見ている海ですが、毎日同じではありません。

天気が違う。

潮の流れが違う。

風が違う。

そして、獲れる魚も違います。

昨日まであった魚が、今日はない。

逆に、

「今日はこんな魚が入ったよ」

と、思いがけない魚が届くこともあります。

だから、千年松の料理には、

「その日にしか出会えない味」

があります。


「今日、何が入った?」から始まる料理

旅館の料理というと、決められた献立を毎日同じように提供するイメージがあるかもしれません。

もちろん、基本となる料理やコースはあります。

でも、魚に関しては少し違います。

その日に入った魚を見て、

「これなら刺身がいいな」

「これは焼いたほうがいい」

「こっちは煮付けにしよう」

と考える。

時には、

「この魚、こんな食べ方をしたら面白いんじゃないか」

と試してみることもあります。

魚が先にあって、料理が後から決まる。

そんな日もあります。


同じ魚でも、季節によって違う

魚は、一年中同じ味がするわけではありません。

季節によって脂の乗り方が変わります。

身の状態も変わります。

獲れる量も変わります。

だから、

「この魚はいつ食べても同じ」

ではありません。

その時期、その魚の状態を見ながら、一番おいしい食べ方を考える。

それが、料理する側の面白さでもあります。


「高級」よりも「今、おいしい」

私たちが食材を選ぶとき、

「高級だから使う」

という考え方だけではありません。

むしろ、

「今、この場所でおいしいものは何か」

を大切にしています。

例えば、全国的にはあまり知られていない魚でも、大島周辺では昔から食べられている魚があります。

地元の人にとっては、特別な魚ではないかもしれません。

でも、遠くから来たお客様にとっては、

「初めて食べた」

という魚になることがあります。

そういう出会いこそ、旅館の料理の面白さだと思っています。


料理は「土地の紹介」でもある

旅行に行ったら、

その土地でしか食べられないものを食べたい。

そう思う方も多いのではないでしょうか。

私たちも同じです。

せっかく大島まで来てもらったのなら、

大島の海を見てもらいたい。

大島の魚を食べてもらいたい。

大島の空気を感じてもらいたい。

そして、

「大島っていいところだな」

と思って帰ってもらいたい。

だから、千年松の料理は、

大島という場所を感じてもらうための一つの方法

でもあります。


そして、商品にも同じ想いがあります

オンラインショップで販売している商品も、

「売れそうだから」

という理由だけで選んでいるわけではありません。

千年松に来てくださったお客様に、

「これ、家でも食べたい」

と思ってもらえるもの。

大島や瀬戸内のことを知ってもらえるもの。

千年松らしさを感じてもらえるもの。

そうした商品を、少しずつ取り扱っています。

旅館で食べてもらう料理と、オンラインショップの商品。

形は違いますが、

「その土地の魅力を届けたい」

というところでは、同じなのです。


商品の背景まで知ってもらいたい

オンラインショップでは、商品だけを見れば、

「鯛だし醤油」

「鯛だしあられ」

など、ひとつの商品として見えると思います。

でも、その背景には、

海があります。

魚があります。

大島があります。

そして、そこに暮らしている人たちがいます。

私たちは、これからこのブログを通して、

「この商品は、なぜ千年松で扱っているのか」

「どんな想いで商品を作ったのか」

「どんな食べ方がおすすめなのか」

そんなことも少しずつお伝えしていきたいと思っています。


島の暮らしも、少しずつ

そして、これからは商品や料理の話だけではなく、

島で暮らしているからこそ見える日常も紹介していきます。

朝、海を見ながら仕事を始めること。

島を掃除していると感じる季節の変化。

漁師さんから魚が届く瞬間。

今日は何が獲れたのか。

島ではどんな人たちが暮らしているのか。

観光で訪れるだけでは見えない、

「大島の日常」

も、千年松の一部です。


旬は、その時にしかありません

便利になった今だからこそ、

「今しか食べられない」

「今だからおいしい」

というものを大切にしたいと思っています。

それは料理だけではありません。

季節によって変わる海。

季節によって変わる島の景色。

季節によって変わる人の暮らし。

そうしたものを含めて、

「今、この瞬間の大島」

を感じてもらえたら嬉しいです。

オンラインショップの商品も、

そんな千年松の想いの一部です。

画面の向こうからでも、

少しだけ大島を感じてもらえるように。

そして、

「いつか実際に大島へ行ってみたい」

と思ってもらえるように。

これからも、千年松の日常を少しずつお届けしていきます。

今日も大島の海を眺めながら、

「今日は何が入るかな?」

と楽しみにしています。